
公開日:
2026/3/10
最終更新:
2026/3/18
利益が出ない原因は、売上不足ではなく「コスト構造(売上に対する経費のバランス)」が崩れていることにあります。しかし、ただ経費を削るだけのケチケチした節約は、医療の質やスタッフのモチベーションを下げ、かえって病院の首を絞めることになります。
本記事では、なぜ今見直しが必要なのかという背景から、医療品質を落とさずに無駄を省き、利益率を劇的に改善するための具体的なコスト構造見直し策までを徹底解説します。

現在、動物病院の経営を取り巻く外部環境は厳しさを増しています。薬品代や医療材料、療法食などの仕入れ価格が軒並み上昇し、原価率を大きく押し上げています。 さらに、電気代などの水道光熱費(固定費)も高騰を続けており、これまでと全く同じように診療しているだけでも、確実に利益が削られていく状況にあります。
獣医療業界の深刻な人材不足に加え、最低賃金の継続的な引き上げにより、スタッフの初任給や基本給のベースアップが避けられない状況です。 優秀な人材を採用し、長く定着してもらうためには、相応の給与水準を維持しなければなりません。人件費が膨らむことは経営上必然であり、だからこそ「それ以外の費用」を徹底的に省く必要があります。
経費が膨らんでいる状態で、ただ「来院数を増やして売上を上げよう」とすると、待合室が混雑して現場の負担が増大し、スタッフが疲弊してしまいます。 さらに、診療時間ギリギリまで多くの患者を診る必要が生じることで残業が常態化し、結果的に残業代(人件費)が嵩んで利益を圧迫するという悪循環に陥ります。 だからこそ、単純な売上至上主義から抜け出し、「売上に対する経費の割合(コスト構造)」を根本から見直すことが、病院の存続において最優先事項となっているのです。

経営を安定させるためには、売上に対する各経費の理想的な指標を知る必要があります。
動物病院における理想的な「コスト構造」は以下の通りです。
「営業利益率15〜20%」を残すことが、健全で利益率が高い経営の目安となります。
費用区分 | 理想の比率 | 主な内訳 |
|---|---|---|
人件費 | 40%前後(上限45%まで) | 給与・賞与・社会保険料 |
原価(薬品・材料・フード・外注検査費) | 20〜25% | 薬品・材料・療法食・外注検査費 |
固定費(家賃・水道光熱費・リース代など) | 15〜20% | 家賃・水道光熱費・リース代 |
営業利益率(目標) | 15〜20% | 健全経営の最低ライン |
利益率が悪化している病院の多くは”感覚に頼った曖昧な収支管理”になっており、どの経費がどのくらい膨らんでいるかを正確に把握できていません。 「なぜかお金が残らない」と悩む前に、まずは自院の損益計算書(PL)を確認し、上記の”理想的な利益率”と照らし合わせてコスト構造を数値化することが、改善の第一歩です。
人件費率を押し上げる最大の要因は、スタッフの基本給が高いことではなく「非効率な業務による残業代」です。 鳴り止まない電話への対応、手書きカルテの転記、長い待ち時間による診療の遅れなど、アナログなオペレーションが引き起こすダラダラとした残業が、病院の利益を大きく削っています。
1名分の残業代削減を実現した事例はこちら↓

会計上の数字には現れない機会損失(コスト)が「請求漏れ」です。 忙しい時間帯に、実施した処置(注射や検査など)や処方した薬を会計システムに入力し忘れるミスは、原価や人件費だけがかかり売上がゼロになるため、利益率をダイレクトに悪化させます。
在庫管理がスタッフの感覚(目視)に頼っていると、過剰発注による使用期限切れ(廃棄ロス)が必ず発生します。 せっかく仕入れた薬品やフードを捨てることは現金を捨てているのと同じであり、原価率を無駄に押し上げる「見えないコスト」の一つです。

コスト構造を見直す際、医療機器や材料の質を落としたり、スタッフの賞与を削ったりする「後ろ向きなコスト削減」は絶対にしてはいけません。 削るべきは前述した「残業代・請求漏れ・廃棄ロス」といった余計なコストです。逆に、スタッフの待遇改善や、業務を効率化するためのITツールには惜しみなく「投資」する。これが正しいコスト見直しのスタンスです。
無駄なコストを削るには、「スタッフの意識や努力」に頼るのではなく「システム」で解決することが鉄則です。
残業代の削減: 予約システムやWeb問診を導入することで、電話対応と待ち時間を減らし、スタッフが定時で帰れる仕組みを作ります。
請求漏れの防止: 電子カルテと連携したレジシステムを導入し、処置内容が自動で会計に反映されるようにすることで、人的ミスをゼロにします。
属人的業務の削減:「カルテ転記」や「予約管理」などの属人的な業務をシステムでまるっと自動化し、現場の負担を削減します。

利益率改善のもう一つの柱は「売上(単価)の適正化」です。 仕入れ原価や光熱費が高騰している中、数年前と同じ価格設定のままでは利益率が下がるのは当然です。病院の経営とスタッフの生活を守るためには、各種料金の適切な価格改定(値上げ)が不可欠です。
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院長が最も恐れるのは「値上げによる患者離れ」でしょう。これを防ぐためには、単に値段を上げるのではなく「付加価値」を同時に提供することが重要です。 DXによって事務作業を効率化し、その分「待ち時間を減らす」「飼い主様との対話(接遇)の時間を増やす」ことができれば、顧客満足度(CS)は向上します。価値を感じていただければ、適正価格に値上げしても患者様から選ばれ続ける病院になります。

利益率の改善は、気合いや根性で成し遂げるものではありません。無駄なコスト(残業代やロス)をシステムで削り、適正な価格で質の高い医療とサービスを提供する「仕組みづくり」こそが最短ルートです。 経営をシステム化し、コスト構造を最適化することが、安定的な経営の実現につながります。
動物病院向け業務改善プラットフォーム「Wonder」は、予約・問診の自動化による「残業代(人件費)の削減」や「カルテ転記業務・予約管理」を実現し、コスト構造の最適化に直結します。
利益率を根本から改善し、スタッフも経営者も豊かになる病院づくりを目指すなら、ぜひ一度Wonderにご相談ください。
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