多くの動物病院で採用されている「順番待ち」システム。一見、来院しやすい柔軟な仕組みに思えますが、その裏側では、待ち時間の長期化や、受付業務の煩雑化といった課題が常に付きまといます。それでも、予約制への移行には「患者様が減ってしまうのではないか」という大きな不安が伴うもの。しかし、今回お話を伺ったクレア動物病院様では、その不安を乗り越えて予約制へ移行した結果、来院数は影響なく、むしろ「再診率が向上する」というポジ-ティブな変化が生まれました。順番待ちの課題をどのように解決し、患者満足度と病院経営の双方に良い影響をもたらしたのか。システム移行の背景から、導入後の具体的な変化、そして成功の鍵となったポイントについて、福永院長に詳しくお話を伺いました。予約制への移行で、受付業務の負担と患者のストレスを解消―まず、Wonder導入前の運用体制と、当時抱えていた課題について教えていただけますか?はい。当時は、来院された患者様に順番待ちシステムで受付をしてもらい、呼び出しベルをお渡しして車などで待っていただく形でした。ただ、ご年配の患者さまなど、どうしてもシステムを使えない方もいらっしゃって、結局電話や窓口で受付することも多かったんです。そうすると、Webで受け付けた方と、直接来られた方の順番をスタッフが手動で調整する必要が出てきて、受付業務がすごく煩雑になっていました。―その課題によって、具体的にどのような悪影響が生まれていましたか?一番は、スタッフの負担ですね。アナログとデジタルの受付が混在することで、スタッフが順番のコントロールにかなり時間を取られていました。また、週に何度も通院が必要な慢性疾患の患者様にとっては、その都度順番を待つことが大きなストレスになってしまい、再診率にも影響しかねない状況でした。操作性と柔軟性が決め手。患者数が減る心配は不要だった―当初は別のシステムを検討されていたそうですが、最終的にWonderを選んだ理由は何だったのでしょうか?そうなんです。初めは順番待ちと時間予約を一緒に使える別のシステムを試したのですが、ダブルブッキングや表示の不具合といったバグが多くて…。また順番待ちと時間予約を併用すると、引き続き順番のコントロールに苦慮する状況でした。そんな時にWonderを見つけました。Wonderは診療内容ごとに予約状況の表示が分けられていて、パッと見てすごく分かりやすかったのと、操作性が高かったのが決め手です。急な来院があった時も、予約の空きを見つけて柔軟に対応できる点が、私たちのやり方に合っていると感じました。―順番待ちから予約制に切り替える際、患者さんが減ってしまうのではという不安はありませんでしたか?それは全く問題ありませんでした。皆さんが普段から使っているLINEでのご案内でしたし、操作も難しくなかったので、飼主様も抵抗なく使っていただけたようです。むしろ、診療後に次の予約がスムーズに取れるようになったことで、結果的に再診率の向上にも繋がっていると感じています。また、これまで特定の時間に集中していた来院が一日を通して分散されるようになったため、総来院数への影響もありません。この『通いやすさ』が、再診率の向上という結果に結びついているのだと思います。診療の質と満足度が向上。丁寧な診療を目指す病院に推奨―実際にWonderを導入してみて、どのような変化がありましたか?まず、スタッフの業務負担が劇的に減りました。 電話での問い合わせが減り、予約が自動化されたのが大きいですね。それから、事前にご相談内容がわかるので、緊急性が高そうな患者様に「もっと早い時間に来た方がいいですよ」とこちらからご連絡できるようになり、より迅速な対応が可能になりました。新人スタッフへの教育も、iPadで直感的に操作できるので非常にスムーズでしたね。―特に「この機能は助かっている」と感じるものはありますか?たくさんありますが、特に3つあります。一つは「リマインド機能」です。患者さまご自身での予約はもちろん、院内で帰り際に予約を取った場合でも自動でLINEに通知が届くので、予約忘れがなくなりました。二つ目は「相談内容の事前入力機能」です。緊急性の判断だけでなく、写真も添付できるので、来院前の準備にとても役立っています。三つ目は「初診時の問診票機能」です。事前に記入していただけるので、受付での手間が省け、カルテ準備の時間短縮にも繋がっています。―最後に、Wonderはどのような病院におすすめできると思われますか?一件一件、丁寧に患者様を診たいと考えている先生に、ぜひおすすめしたいです。予約制にすることで1日の流れを事前に把握できるので、気持ちに余裕を持って診療に臨めます。システム自体も非常にシンプルで分かりやすいので、ITにあまり慣れていない先生でも、安心して導入できると思いますよ。